キボシアシナガバチ(スズメバチ属)
キボシアシナガバチ
キボシアシナガバチ雄
 ↑雄。顔は白っぽく、触覚は長め。


特徴 - 黒と茶色の地味で小さなアシナガバチ。巣のサナギ部屋の蓋が鮮やかな黄色なのでこの名がある。

習性 - 平野部から低山にかけ棲息している。巣は木の枝や葉の裏側など比較的低い位地に作られることが多い。
 少しくらい巣に近づいても攻撃はしてこないが、刺激すると威嚇や攻撃行動に出る。フタモンアシナガバチよりも防衛本能が強く攻撃的なハチなので、小さいからといって甘く見てはいけない。



キボシアシナガバチの巣 
キボシアシナガバチの巣 キボシアシナガバチの巣裏側
 キボシアシナガバチの巣はほとんどの場合、片側にだけ向って増築されてゆく。規模はあまり大きくならないが、大きめに成長した巣では背面が反り返る。(この写真の巣は大きめで、育房数は100以上。背面が反っている。)
 初期段階ではコアシナガバチの巣と形が似ているが、サナギ部屋のフタが黄色いことで見分けがつく。ヤマトアシナガバチのサナギ部屋もフタが黄色だが、柄は中心付近にある場合が多く、巣は大きくなっても反り返らないようだ。


キボシアシナガバチの巣
 キボシアシナガバチにしては珍しく高い位置。地上4mくらいに作られていた巣。
 スズメバチに襲撃されて放棄したのだろうか。規模が小さい。





営巣記録 (2007.)

7月3日
 軒下のナンテンの木に巣を見つけた。
 すでに働きバチが2匹羽化しているが、働いている様子はない。留守番役だろうか。
 まだ女王バチが働いている。
キボシアシナガ女王
 巣材を運んで来た女王バチ
巣の様子
 働きバチ2匹



7月10日
 働きバチは4匹に増えていた。
巣と働きバチ 働きバチ
先週末の風で葉っぱが覆い被さってしまった。下から撮影。
 幼虫のエサを噛み噛みする働きバチ。



7月16日
 通算で6匹の働きバチが羽化。空いた部屋にはまた卵が産みつけられている。
巣の様子 空き部屋の卵
 幼虫は漫画みたいな顔をしている。



7月22日
通算で10匹の働きバチが羽化。
空き部屋に産みつけられた二期生もかなり大きくなっている。
巣の様子
この後一週間ほどは、蛹の数はふえるものの羽化は無し。
8月1日
たて続けに5匹ほど羽化したが全部オス。もう巣が増築されることはないようだ。
 オスはメスに比べて顔が白っぽい。



8月13日
しばらく見ないうちに一匹だけになっていた。女王バチだろうか?
サナギは全て羽化が終了している。
巣の様子
8月15日
ついに一匹もいなくなった。
よく調べてみたらこの巣は二ヶ所で固定されていた。



巣の様子
← 空き家になった巣
 育房数は30ほど。写真右上から左下に向かって増築されていった。羽化した働きバチは10匹程度で意外に少ない。
 雄バチと次期女王バチが羽化した育房のほとんどにはまだ蓋がくっついている。
 右上の3部屋は働きバチが羽化したあとに再利用されたもの。働きバチが羽化した他の育房(蓋が取り払われている育房)でも同じように幼虫が育ちつつあったが、サナギになる前に消えてしまった。エサがもらえずひからびたか、または雄バチや時期女王バチの食料になってしまったのかも。





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