作ってみよう 
どのように作ったら良いのか、鳥に聞けば間違いないのだが、なかなかその機会がないのでとりあえずスズメとシジュウカラについて自分なりに考えてみた。
 鳥は外観や色使いにあまりこだわらないようなので、これについてはそれほど気を使う必要はないと思う。鳥よけの目玉模様を配したりしなければ奇抜なデザインでも派手な色使いでも大丈夫。大事なのは使い勝手なのだ。

 まずは床面の大きさ。親鳥が卵を温めている状態を考えると床面の最大長がその鳥の全長くらい必要になる。中で方向転換したりヒナが大きくなった時のことを考えると幅もそのくらいあったほうが良いだろう。たとえばシジュウカラは全長約14cmなので、14cm×14cm。このくらいあれば使ってくれる可能性はあると思う。といっても無闇に広くても落ち着かないと思うのでほどほどに。特にスズメなどは、産室を残して室内のほぼ全てを巣材で満たしてしまうので、いくら広くても意味がない。全長の1.5倍もあればじゅうぶんすぎるくらいではと思う。

 室内の高さはどのくらが良いのだろう。巣材を搬入して頭が天井につかえるようでは困る。どちらかというと幅より高さのある部屋のほうが鳥には喜ばれるような気がするけど・・ 本当にただそんな気がするだけ。
 ただスズメの場合は屋根のひさしの下や瓦の裏のあんな薄っぺらな隙間にも平気で営巣してしまうことを考えると高さはそれほど必要ないように思う。頭のてっぺんが擦れて薄くなるのではと心配になるのだが・・

スズメの巣
 写真A
 出入り口の大きさは、スズメの場合で直径30mmくらい、シジュウカラはそれより少し小さめくらいでも良いといわれている。ただこれは入れる最低限の大きさなので、鳥の種類にこだわらないのであればこれより少し大きめに開けたほうが鳥達には喜ばれると思う。
 特にスズメの場合、枯れ草やワラなどの長物を巣材に使うため、入り口が狭いと搬入に苦労する。巣材の真ん中をくわえて運んで来るとそれが入り口でつかえて入れず、その場に捨ててしまう場面を何度か見た。あまり利口な鳥ではないようだ(というかもともと巣箱のような閉鎖された空間に営巣する鳥ではないのでは)。巣作りを途中でやめてしまったりシジュウカラなどの巣をぶん取ってしまうのはそんなことも関係しているのかもしれない。煙突や換気口の中でも営巣するので、スズメが対象の場合は出入り口をかなり大きく作っても問題ないと思う。もっとも、あまり大きくてカラスや猫も入ってしまうようでは問題だが・・・。
 スズメが巣材を搬入しやすいように横長の穴をあけるというのも一つの方法かもしれない。
写真A)スズメはあんな所やそんな所やこんな所にも営巣してしまう。

 出入り用の穴の位置は壁面のできるだけ高い所が良いといわれている。シジュウカラなどは天井にあっても気にしないようだが、雨が直接入ってしまうことを考えるとお勧めできない。
 スズメは住宅のいろいろな隙間に巣をかけるが、観察したところ下から入り込む感じのが多いようなので、入り口の位置は下部でも底面でもいいかもしれない。結局スズメは、ある程度の大きさの穴が開いた箱ものであればなんでも良いってことか。

 最後に雨対策も忘れないようにしよう。羽根の生えそろっていないヒナは水に濡れると凍えてしまうので、雨が内部に流入したり吹き込んだりしにくい構造にするとともに、もし雨が入ったときのために床面には必ず水抜きの穴を開けておこう。穴には巣材やゴミが詰まりやすいので、それを考慮した大きさにする必要がある。


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