新潟でみられる野鳥 トキ Nipponia nippon 朱鷺、鴇 (トキ科)
シラサギと似ているがクチバシが長くて下に湾曲している。顔と足は赤く、クチバシ先端もちょこっと赤い。後頭部にボサボサの冠羽あり。サギ科の鳥と違って首を伸ばした体勢で飛ぶ(もっとも首はそれほど長くないが)。 雌雄同色で全体的に白いが、翼を広げると内側が朱鷺色で艶やかな雰囲気がある。 繁殖期には上面が灰色を帯びる。これは羽そのものの色ではなく、羽づくろいの際に塗り付ける分泌分によるものらしい。
単独で行動するものもいるが、繁殖期以外は集団で行動することが多いようだ。
水田や小川などの水辺でドジョウやカエルや虫などの小動物を採食する。 昔は全国各地で普通に見られ、害鳥的な扱いを受けていたという。「ドウ」とも呼ばれ、サギやスズメと共に鳥追い歌に歌われている。 明治以降急激に数を減らしたのは乱獲が原因といわれている。環境の変化にも弱い鳥なのではないかと思う。 1981年、佐渡に生息したていた全数(五羽)が人工増殖の目的で捕獲されたが、2003年に最後の1羽が亡くなり日本のトキは絶滅した。 現在では中国産のトキを移入、人工孵化による増殖とともに生息域の環境改善への取組みが行なわれ、2008年以降佐渡島で放鳥が続けられれている。2012年に自然界での繁殖が確認された。 (2013) |