バン
 親鳥とヒナ 7月 瓢湖

新潟でみられる野鳥

バ ン
Gallinula chloropus



(クイナ科)

 キジバトくらいの大きさの黒い鳥。オオバンと同じように額板があるが赤色で、クチバシ先端は黄色い。脇腹と下尾筒の両脇は白い。
 足の指が長く、湿地やハスの葉の上でも楽に歩くことができる。水かきはほとんどないようだが普通に水面を泳いでいる。首を前後させながら泳いでいることが多い。

 アシやハスなどの茂る湖沼や湿地や公園の池などに棲む。
 県内でよく見かけるのは春から秋にかけて。冬は無雪地へ移動するらしく、ほとんど見かけなくなる。
 警戒するとすぐに薮の中にコソコソと逃げ込んでしまうが、公園の池などで繁殖しているものは人間に対して比較的警戒心が薄く、ヒナを連れて姿を現すこともある。
 巣はガマやヨシなどの茂みの中に枯草を積み上げて作る。年に2度繁殖するらしい。かなり育った幼鳥と同時にヒナを見ることがある。

巣
 7月 県立植物園 ガマが刈られて丸見えになった巣。

幼鳥
 幼鳥 7月 瓢湖
 

← 幼鳥は全体が褐色で、クチバシも赤くない。けど下尾筒両脇は一丁(鳥)前に白い。





オオバン
 成鳥 4月 佐潟
新潟でみられる野鳥

オオバン
Fulica atra

大 鷭

(クイナ科)


 全身真っ黒でバンと似ているが、一回り大きくてずんぐりしている。
 また白いクチバシや額板、赤い目の取合せはバンよりも個性的。シンプルでなかなか良いデザインだと思う。
 足には水かきがあるがカモ類のような指の間ではなく、指そのものに付いていている。不思議な形だが、確かにこちらのほうが効率は良さそうだ。
 幼鳥は体全体が褐色で、額板も発達していない。

オオバンの水かき
 個性的な足の指 (↑ クリックで拡大)
 アシなどが周囲に茂る湖沼や公園の池など、バンと同じような環境で年中見ることができる。繁殖期を過ぎると集団になることが多いせいか県内では冬期のほうが数が多いように感じる。100羽くらいの群になることもあり、特に陸に上がると群がって行動する習性がある。放し飼いのニワトリのよう。
 警戒するとすぐ薮に逃げ込むバンとは違って広い水面で悠々と過ごしていることが多い。潜水が得意だからだろうか。
 餌付けをしている湖沼ではハクチョウやカモに混じって人の近くまで寄ってくることもある。

オオバン若鳥
 若鳥?額板が小さめ 2月 佐潟
 季節によって移動するものもいるようだが、この鳥がまともに上空を飛んでいるところを見たことがない。まさか歩いて旅するとは思えないが、陸に上がっている姿を見ていると、本当に長距離を飛べるのか疑問に思えてくる。




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