喧嘩の跡
 喧嘩のあとは糞だらけ。けっこう迷惑。
セキレイ類 は県内ではキセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキレイの3種がよく見られる。いずれもスマートな鳥で、長い尾をやたら上下に振る習性がある。
 営巣は建物や車両の隙間や設備などの人工物に、あまり人目を気にせずに巣をかけることが多い。車のバックミラーに映る自分の姿と時々喧嘩したりている。
 どの種も似たような環境を好むため、狭い区域内に3種が同時に生活していることがあるが、やはり体格の差がものをいうのか、なわばり争いでは一番小さいキセキレイが追い回されていることが多い。



キセキレイ
 雄 5月 (写真提供 : ヨシロー)
新潟でみられる野鳥

キセキレイ
Motacilla cinerea

黄鶺鴒

(セキレイ科)



 川や池の周辺でよく見られる。特に山間地の小川や低山の渓流周辺に多く、夏には標高2000m以上の高地でも見ることがある。
 冬は低山の沢で少数見かけるが、多くは雪の無い地域へ移動するらしい。4月の初旬あたりからよく見かけるようになる。電線や屋根などの上で「チチチチチチッ、チィチィチィ」と高音でさえずる。
 ただ佐渡や粟島では少ないらしい。

キセキレイ2
 若鳥? 季節不明
 セグロセキレイやハクセキレイよりも全長はやや短めだが、細身のせいか全長の差以上に小さく感じる。
 冬は雌雄ともに喉が白いが、雄は夏になると喉が黒くなる。雌は白いままのものと黒っぽくなるものがある。つがいを見比べたときに喉の黒色が濃いほうが雄だが、両方とも黒くて判別がつけにくい場合もある。

 親鳥が巣にいるヒナの糞を水辺まで運んで捨てる行動を見たことがある。一定の場所に捨てるのか、水に溶けない白い糞が浅瀬にいくつも漂っていた。




ハクセキレイ雄
 雄 夏羽 喉も黒くなる

ハクセキレイ雄冬羽
 若鳥9月 まだ顔に黄色味がある。
新潟でみられる野鳥

ハクセキレイ
Motacilla alba

白鶺鴒

(セキレイ科)



 海岸や湖沼周辺、水田地帯、河川敷などで年中見ることができる。
 セキレイ3種のうち平野部で最もよく見られるのがこのハクセキレイで、水辺からなかり離れた場所で生活するものいる。駐車場や芝生の上を歩き回ってエサを摂っていたり、街路樹を集団ねぐらにしたり、コンビニエンスストアで暮らしていたりと最も都会派のセキレイである。


 尾羽が長いため全長は大きいが体格はスズメとそれほど違わない。
 雌雄とも全体的に白黒灰色の鳥で、雄は夏になると背面が黒くなり白黒の鳥になる。セグロセキレイと似るが顔の白黒パターンで見分けられる。雌も夏は黒っぽくなるが雄ほどではなく、灰色味が残る。
 雌雄ともに夏は胸の黒帯が太くなり、喉元が黒くなる傾向がある。
ハクセキレイ幼鳥
 幼鳥 8月
 幼鳥は全体的に灰色味が強く、セグロセキレイの幼鳥と似るが、顔にはハクセキレイ特有の模様が淡く見られる。
 1年目の冬には成鳥に近い羽色になるが、クチバシはまだ完全に黒くはなく、顔に黄色みを帯びるものもいる。

 ハクセキレイは現在では年中見かける鳥だが、昔は東北地方以北で繁殖し県内では冬にしか見られない鳥だったという。繁殖地が徐々に南へ広がりつつあるらしい。地球温暖化もなんのその。

 ハクセキレイには、顔が真っ白い亜種ホオジロハクセキレイなど亜種が何種かいるらしいが、まだ見たことはない。




セグロセキレイ
新潟でみられる野鳥

セグロセキレイ
Motacilla grandis

背黒鶺鴒

(セキレイ科)



 平野部や山間地の水辺およびその周辺で年中見ることができる。河川の中流域以上に多いが、冬期は河口周辺の海岸でエサを摂っていることもある。

 白黒ハッキリした鳥で、セキレイ3種の中では一番大きく感じる。やや重たそう。雌雄による外見の違いはほどんどない。
 季節による羽色の変化もほとんどないが、顔の白い部分(額や目の上、喉、目の下の白斑)の形状大きさは個体により微妙に違いが見られる。
 幼鳥は全身ねずみ色な感じ。

セグロセキレイ2
 幼鳥 7月

 ハクセキレイと同じように地上をよく歩きまわる。本気で歩くともの凄い早足で、足の運びは目にも止まらない。
 ハクセキレイより濁った感じの声で鳴く。



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