エゾビタキ、サメビタキ、コサメビタキは、いずれも雌雄同色で地味な色彩の鳥。
 キビタキやオオルリなどの♀と雰囲気が似ているが、褐色みは少なく、アイリングのおかげもあって目がパッチリした印象がある。
 野鳥図鑑などにはこの3種の外見の違いが明確に述べられているが、野外では光線条件や見る角度によって違って見えたり若鳥もいたりするため、たとえばエゾビタキとサメビタキ、コサメビタキとサメビタキの識別は意外に難しかったりする。(このページの写真も違っているかもしれない)



エゾビタキ
 おそらく幼鳥 9月  写真提供 Ryo
新潟でみられる野鳥

エゾビタキ
Muscicapa griseisticta

蝦夷鶲

(ヒタキ科)



 スズメくらいの大きさの鳥で、胸や脇腹に褐色の不規則な縦じまがある。
 翼の大雨覆と三列風切の縁は成鳥でも比較的はっきり白く見える場合が多い。
 またコサメビサキやサメビタキに比べると長身な感じがする。

 春と秋の移動期に低山や平野部の林で見ることができる。どちらかというと秋に見かけることのほうが多い(というか秋にしか見たことがない)。
 名前からして北海道で繁殖していそうだが、夏はもっと北方へ移動するらしい。



サメビタキ
 9月
新潟でみられる野鳥

サメビタキ
Muscicapa sibirica

鮫鶲

(ヒタキ科)


 コサメビタキと似ているが、胸や脇腹はまだらに灰褐色を帯びている。エゾビタキともコサメビタキとも似ているため、じっくり見れないと識別に迷う。

 本州中部以北の亜高山帯で繁殖する鳥で、渡りの時季には低山や山麓の林でも見ることができる。



新潟でみられる野鳥 

コサメビタキ 小鮫鶲 (ヒタキ科)
Muscicapa latirostris
コサメビタキ
 9月  写真提供 Ryo

コサメビタキ
 スズメよりやや小さいくらいの鳥。胸脇腹は微かに灰褐色だが、サメビタキと比べると淡い。目先もサメビタキより白い傾向がある。
 3種の中ではいちばん目がクリッとした印象がある。

 夏鳥で、平野部や低山帯の林で繁殖しているらしい。春と初秋の頃に低山や丘陵の林でよく見かける。

← 胸脇腹の灰褐色が比較的はっきり見えるけどたぶんコサメビタキ 8月末






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