県内でよく見かける白いサギ にはダイサギ、チュウサギ、コサギの3種いるが、どれも白くて風貌が似ているうえに雌雄同色であるため、野鳥に興味の無い人にはまったく区別されていない。みんなひっくるめてシラサギと呼ばれている。
 ダイサギとコサギだけなら大きさの違いで一目瞭然だが、あいだにチュウサギがいたり、さらにダイサギにも亜種オオダイサギと亜種チュウダイサギがいるため識別が面倒なことになっている。やはりシラサギと呼ぶしかない。
 見られる季節、クチバシや脚の色からある程度は見分けることができる。ただ警戒心の強い鳥なので近距離での観察が難しい。



オオダイサギ
 亜種オオダイサギ 2月 でかい! 脚は汚い黄色。
新潟でみられる野鳥

ダイサギ
Egretta alba

大 鷺

(サギ科)



 大鷺というだけあって大きい。首も無意味と思えるくらい長い。
 クチバシは繁殖期の春から初夏にかけて黒くなるが、それ以外では黄色。繁殖期には胸や背中に白い飾り羽が生える。

 県内では亜種チュウダイサギと亜種オオダイサギ(亜種ダイサギともよばれる)という2亜種が見られる。当然オオダイサギのほうが大きい。極端に大きくはないがその差は明らかで、アオサギと同程度。

チュウダイサギ
亜種チュウダイサギか 5月
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・亜種チュウダイサギは県内で繁殖しているダイサギで冬には南の地域へ移動する。県内では夏鳥的な存在だが、近年それらしきサギを真冬に何度か見かけたことがある。地球温暖化の影響によるものだろうか。
 アオサギより小さい。脚全体が黒っぽく、同時季に見られるチュウサギとの識別が難しい。腿(もも)の露出した部分が白っぽいものもいるが詳しいことは不明。

・亜種オオダイサギは越冬のため北方より渡って来るサギで、県内においては冬鳥的な存在。亜種チュウダイサギと入れ替わりに現れる感じになる。
 腿(もも)が汚れた薄黄色で、冬から春先にはそれが踵(かかと)から下の部分にまで及ぶ。夏の状態は不明。

チュウダイサギ
 (左)4月 クチバシは黒、顔は青緑に  (右)秋 
※ 腿(もも)という表現をしているが実は脛(すね)で、その下の折れ曲がる部分は人間でいうと踵(かかと)にあたる。本当の腿(もも)や膝(ひざ)は羽に隠れて見えていない。つまり鳥は常に爪先立ちのウンコ座り態勢で過ごしているということ。

ダイサギ表情変化
首から上の体羽を立てると頭の形や首の太さが違って見える。鳥肌が立った状態だろうか。



チュウサギ
 8月末
新潟でみられる野鳥

チュウサギ
Egretta intermedia

中 鷺

(サギ科)


 中くらいの白いサギで(ほとんど参考にならない表現 ^_^;)、繁殖期には他のシラサギと同じように胸や背中に飾り羽が生える。
 クチバシは春から初夏にかけて黒くなり、それ以外の時期は黄色い。ただ黄色に変っても先端にわずかに黒が残る個体をよく見かけるが、ただの汚れだろうか?
 脚は年中黒い。

チュウサギ繁殖羽
 7月 クチバシ黒い

 県内においては夏鳥。ダイサギやコサギに比べて個体数は少ないが、夏から秋に田んぼでカエルやバッタなどをとる姿をよく目にする。
 水辺で獲物を狙っていることもあるが、コサギやダイサギに比べると草地や乾田を好む傾向があるようだ。
 11月に入る頃にはほとんど姿を見かけなくなる。



 チュウサギは、ダイサギの亜種であるチュウダイサギとの見分けが難しい。両者を見比べれば大きさの違いで判別できるが、単独でいる場合は悩んでしまう。ダイサギより首もクチバシも短いと言われているが、そのときの体勢や見る角度によっては長くも短くも見えるので決定的ではないように思う。
 至近距離の場合は口角の切れ込みの長さの違いでも識別できる。ただこれもけっこう微妙。

チュウサギ2





コサギ
 冬羽  普段は黄色い靴を履く
新潟でみられる野鳥

コサギ
Egretta garzetta

小 鷺

(サギ科)


 シラサギ3種の中では一番小さい。
 クチバシは年中黒くて、脚も黒いが指だけは黄色い。

 湖沼や河川のほとり水田など、ダイサギと同じような環境で年中見ることができる。ただ足が短いため水深の深い所にはあまりいない。

 水辺の狩りでは他のサギが獲物をジッと待つことが多いのに対して、コサギは活発に歩き回っていることが多い。獲物を追って浅瀬をバシャバシャ疾走することもある(他のサギは迷惑顔)。また片足を使って隠れた獲物を追い出して捕らえる行動も時々見る。

コサギ2
 4月 婚活モード
 桃色のアイシャドウと靴でお洒落
 繁殖期に入る頃には胸や背中の飾り羽以外に頭の後ろに長い冠羽が2本生えてくる。目先や足の指には一時期、赤い婚姻色が出る。
※ 目先 = 目とクチバシの間の部分。
 
 小さいだけあって、電線にとまることがある。



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