ヤマドリ
 静岡県どこかの林道にて 撮影日不明

新潟でみられる野鳥

ヤマドリ
Phasianus soemmerringii

山 鳥

(キジ科)


 日本固有の鳥。体型はキジと似ているが雄は全体的に鮮やかな赤茶色で、尾羽はう〜んと長い。
 雌は尾羽が短くて色彩は雄よりも地味。枯草や落葉の上では保護色になる。キジの雌と似ているがそれより尾羽は短く、飛び去るときには尾羽の赤茶色が目立つ。
 雰囲気からして飛ぶのはあまり得意な鳥ではないようだ。

 名前のとおり山を住処(すみか)にしている鳥で、平野部に生息するキジとは見事に棲み分けが行われている。
 低山で年中見ることができるが警戒心が強く、普通は人の姿を見ると一目散に逃げてしまう。登山道を歩いていると「ドドドドド・・」という微かな地響きのようなホロ打ちを聞くことは時々あるが、実際に姿を見る機会は少ない。
 遭遇するのは人が普段歩かないような山道や、人のいない時間帯のことが多い。突然薮からガサガサ現れたりバタバタ飛立ったりするので思わず身構えてしまう。


 日本には5亜種が生息しているという。県内で見られるのは亜種ヤマドリ。


新潟でみられる野鳥  

キジ 雉、雉 子  (キジ科)  
Phasianus colchicus
キジ雌雄
  (左)雄、(右)雌

キジ雄
繁殖期が近付くと顔の赤い部分が広がりトサカのようになる。冠羽も多少長くなるようだ。
 ニワトリくらいの鳥で尾羽が長い。特に雄。
 雄の体羽は光沢のある青緑色をしていて間近で見ると綺麗だが、遠目には黒っぽく見え一瞬カラスかと思うこともある。
 クチバシは白っぽくて野外では意外に目立つ。顔は赤く、後頭部左右に短い冠羽がある。
 繁殖期に雄は「ケーケー」と大きな声で鳴く。それ以外にも年中「ケヘ、ケヘ、ケヘ、ケヘ、・・・」と鳴いてることがある。
 雌は全身が茶と黒のまだら模様で、枯草に紛れると見えなくなる。目の下が白いのはなんでだろう。

キジ雄と猫
 必ずしも民家近くが安全というわけではない
 キジは平野部の農耕地や草地などで年中見ることができる。近年では住宅街のすぐ近くや交通量の多い道路脇でも見かけるようになった。うちの庭にもやってくる。人間の近くは外敵が少ないことや、狩猟鳥の立場としてそこが安全だということに感づいたのかもしれない。
 夏には雌がヒナや幼鳥を連れて移動する姿をよく目にする。
 日本の国鳥に選定され、お札の図柄に採用されたこともあるが、それで特別良い扱いを受けているわけではないのでキジにとってはどうでもいいことだろう。


 飛ぶのが得意ではないらしくいつでも低空飛行で、あまり長い距離を飛ぶこともない。外敵や人間が近付いても余裕がある時はスタスタと走って逃げる。
 だが人が近付いても物陰に隠れたり身を低くしてジッと様子をうかがっていることがよくあり、それを知らずに近付くと突然足元から
バタバタバタバタバタバタバターーー
と大きな羽音で飛び立つので、これにはいつもながら驚かされる。(@◇@;)

 庭の木の枝にキジの羽が引っ掛かっていたことがあって「なんでこんな所に?」と不思議に思ったことがあるが、どうやらキジは夜寝るときに木の枝にとまって寝る習性があるらしい。羽繕のときに抜けたのだろう。そういえば公園や神社などの野良ニワトリもけっこう高い木の枝で寝ている。

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