県内で見られるカッコウ科の鳥 は4種類でいずれも夏鳥。4月末から5月にかけて渡って来る。
 自分では巣を作らず、他の鳥の巣に卵を生みつけて育ててもらう不精な鳥ばかりで、ほとんどの場合自分より小さな鳥に託卵するため、託卵された親鳥は最終的に自分より巨大なヒナにエサを与え続けるという苦しい生活を強いられることになる。
 カッコウ、ツツドリ、ホトトギスは遠目には姿かたちで見分けが難しいが、それぞれの個性的な鳴き声により識別は容易。初夏の頃に山に入れば普通に声を聞くことができる。姿はあまり見えないけど。
 飛ぶ姿は小型のタカやハヤブサに似ている。いずれの鳥も雌雄同色だが、ツツドリ、ホトトギスの雌には羽色が赤茶色のタイプも少数見られる。


新潟でみられる野鳥

ジュウイチ
Cuculus fugax

十一、慈悲心鳥

(カッコウ科)
ジュウイチ
 守門岳 6月

 キジバトくらいの大きさで、見た目は小型のタカそのもの。ツミやハイタカと配色がよく似ている。
 とはいえ繁った林に棲息する鳥なので、近くで鳴いていても枝葉の陰でなかなか姿が見えない。
 名前は「ジュウイチー、ジュウイチー」と繰り返す鳴き声からきているといわれているが・・・ 少し想像力を必要とする。

 他のカッコウ類よりも標高の高い環境を好むらしく、平地や人里近くで声を聞くことはほとんどない。4種の中ではいちばん遅く渡って来ると思われる。




カッコウ
  5月

新潟でみられる野鳥

カッコウ
Cuculus canorus

郭 公

(カッコウ科)



 カッコウは「カッコー」と鳴くので実にわかりやすい。誰でもこの声を聞けばすぐカッコウだとわかる。
 外見はツツドリやホトトギスとよく似ているが、胸の横じまが細めで数も多めにある。

 カッコウ科の中では最も人里近くに生息する鳥で、オオヨシキリやオナガなどいろいろなに託卵する。平野部でもこのよくとおる声を聞くことがあるが、歩行者用横断歩道の音と混同しないように。



ツツドリ
 幼鳥 9月
 成鳥は喉元の横縞がなく、羽縁も白くない
新潟でみられる野鳥

ツツドリ
Cuculus saturatus

筒 鳥

(カッコウ科)



 カッコウ科の鳥の中で真っ先に渡って来るのがこのツツドリで、4月末頃から低山で声が聞こえ始める。
 「ポポポポポ・・」に続いて「ポポ、ポポ、ポポ、ポポ、ポポ、ポポ、ポポ、ポポ、ポポ、ポポ、ポポ、ポポ、・・」と、ふた声ずつ区切って鳴く。新緑の山々に響き渡るこの声は、小鳥のさえずりとはまた違ったおもむきがある。

 一度聞いたら忘れられない個性的な声だが、その姿がなかなか見られないせいかたまに山鳩の声と勘違いしている人がいる。確かに音質は似ているけど・・
 ちなみにツツドリの名前の由来は、筒をたたくような鳴声からという説が一般的で、漢字も「筒鳥」が使われているが、昔の人はこの鳥の声を「ツツ、ツツ、ツツ、・・」と聞いていたという説もある。そういわれてみれば、他のカッコウ科の鳥はみんな鳴声がそのまま名前になっているようだ。

 秋の渡りの時期(9月頃)には樹木の多い公園や庭先など、平野部で見ることがある。カッコウ科の鳥は、他の鳥があまり食べない毛虫もよく食べるらしい。想像しただけで喉がイガイガしてくる。(+◇+)


新潟でみられる野鳥

ホトトギス
Cuculus poliocephalus

杜 鵑

(カッコウ科)
ホトトギスgif
鳥好きの部屋より


 他のカッコウ科の鳥に比べるとやや小さめだが、遠目にはツツドリとの見分けが難しい。
 鳴き声は一般的に「トッキョキョカキョク」とか「テッペンカケタカ」と聞きなしされ、それ以外にも全国各地で実にさまざまな聞きなしがある。昔の人は「ホトトギス」と聞きいていたとも。
 日中だけでなく夜中や早朝でもおかまいなしに大声で鳴くので、山でテント泊しているときには時々変な時間に起こされる。迷惑な鳥である。

 特徴的な鳴声からか、古くから多くの歌に詠まれてきた。この鳥に関する言い伝えや昔話も全国各地にあるが、悲しい話が多いのは、この鳥の鳴声が悲痛な叫びを連想させるからだろうか。(だけど考えてみたら鳥に関する昔話は、この鳥にかぎらず悲しい内容のものが多い)

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