新潟でみられる野鳥 ホオジロ Emberiza cioides 頬 白 (ホオジロ科)
頬(ホオ)が白いことからこの和名がつけられたようだが、いまひとつ説得力に欠ける。 スズメより少し大きめの鳥で、尾羽もやや長い。全体的にスズメと似ているが、雄の顔は白黒はっきりしている。 雌は全的に褐色系なので野鳥に興味ない人はスズメとしか見てくれない。遠目にはカシラダカとも似ているが、カシラダカと違って腹は薄茶色。 飛び去る時には尾羽の両脇が白く見える。比較的よく見かけるアオジやカシラダカなど、ホオジロ科にはこのような尾羽を持つ鳥が多いが、ホオジロの尾羽は白黒茶のコントラストがはっきりしているので、見慣れると雰囲気で識別できる。 また、ホオジロ科の鳥のほとんどが一声づつ区切った「チッ、チッ」というたぐいの地鳴きをするのに対し、ホオジロは「チチッ」や「ツチッ」または「チチチッ」と連続した鳴き方をするので識別しやすい。
県内ではいちおう留鳥といわれているが積雪期にはほとんど見かけなくなる。雪解けの頃に平野部で少数の群れを見かけるようになると春は近い。
3月に入ると天気の良い日に鳴声が聞えてくる。初旬はまださえずりよりも短い半端な鳴き方をしているが、3月末になると木のてっぺん近くで空を見上げながら本格的にさえずるようになる。さえずりは「イッピツケイジョウツカマツリソウロウ」などと聞きなしされているが、バリエーションがあり一定ではない。 夏は低山や山麓、山間地でよく見かける。開けた場所に棲むイメージがあるが、意外に繁った林の中で見かけることも多い。 |