アマツバメ科の鳥 は新潟県内ではアマツバメとハリオアマツバメが見られる。ツバメの名がついているが、ツバメとは分類されている。
 ツバメよりさらに幅の狭い高速型の翼を備えており、その飛行速度は鳥類の中で最速といわれている。また一生のほとんどを空中で過ごすという、まさに飛ぶために生まれてきたような鳥。
 夏鳥または旅鳥で、県内へ渡って来るのは4月中旬以降。標高の高い夏山でよく見かけるが、春秋の渡りの時期には山間地や平野部でも群れが見られる。漢字で「雨燕」と書くように、雲が低く垂れ込めた雨模様の日に見る機会が多いように思う。



ハリオアマツバメ
 5月 さっそうと風を切る。

新潟でみられる野鳥

ハリオアマツバメ
Chaetura caudacuta

針尾雨燕

(アマツバメ科)

 全身黒っぽくて、喉と背中と下尾筒が白い。尾羽は短めで体形もずんぐりだが、翼開長は50cmにもなり、間近で見ると高速で飛ぶブーメランのようで(回転はしてないけど)迫力がある。
 尾羽の先端から羽軸が針のように突き出ていることが名前の由来だが、それほど派手に突き出ているわけではないので飛翔時にそれを肉眼で確認するには超人的な動態視力を必要とする。

※ 翼開長 - 翼をめいっぱい広げたときの左右翼先端間の距離。

 春秋の渡りの頃に、山ぎわや山間地でビュンビュン飛び回る姿を見ることが多い。秋にはアマツバメを交えて100羽ほどが上空で集団を形成していることもあるが、低空では極低密度の群れで飛び回っている。アマツバメもそうだが、最初に一羽が目に入って辺りを見回すと二羽、三羽、四羽・・と見つけられる感じ。




アマツバメ
 飯豊山 6月 (実際はもっと翼が細く見える)
新潟でみられる野鳥

アマツバメ
Apus pacificus

雨 燕

(アマツバメ科)



 全身黒っぽく、喉と腰が白い。
 ハリオアマツバメよりは小形だが、普通に見られるツバメよりは明らかに大きく、飛翔時の翼は切れ味鋭い鎌(カマ)の形をしている。
 尾はハリオアマツバメよりも長く、二股に分かれている。ただ真っすぐ飛んでいるときは閉じて1本の細い尾に見え、方向転換などの際に広げたときはトビの尾のように三角形になる。
 高速で飛び回るので、目で追い切れないとハリオアマツバメとの識別が意外に難しかったりする。

 夏は高原や高山で見ることが多い。県内の一部地域の岩場で繁殖が行われているらしい。
 春秋の渡りの時期には平野部で飛び交いながら徐々に移動して行く群れに遭遇することがある。春先に見かけるのは4月中旬以降。


ハリオアマツバメもそうだが、その高速飛行には思わず見入ってしまう
アマツバメの群れ
 ← 焼山 7月
  画像クリックで拡大します




Field note 目次へ