アマサギ
 夏羽

新潟でみられる野鳥

アマサギ
Bubulcus ibis

猩々鷺、黄毛鷺、尼鷺

(サギ科)

 九州以南では越冬するものもいるようだが県内では夏鳥。4月末頃から平野部で姿を見るようになる。農耕地でカエルや虫などを獲っている。
 渡来したてのころは単独または少数で行動しているが、夏以降は集団でいることが多く、幼鳥も交えて大群になることもある。


 首長(くびなが)サギ類(そんな呼び名はない)の中では小形で、クチバシも首も短め。
 クチバシは黄色または橙色で、下向きにわずかに反っているように見える。繁殖期にはやや赤みを帯びる。
 脚は灰色で、腿に近い部分が黄色みを帯びるものもいる。
アマサギ幼鳥
 幼鳥? 8月
 冬羽はほとんど白一色だが、繁殖期になると頭部から首、胸、背中に細くてサラサラしたキツネ色の飾り羽が生えてくる。夏でもほとんど白い個体は幼鳥や若鳥だろう。
 県内では9月いっぱいくらいまで普通に姿を見ることができるが、そのころにはほとんどキツネ色が見られなくなる。冬羽に変るのかそれとも若鳥だけが遅くまで残っているのかは不明。遠目にはチュウサギと少し紛らわしい。

 他のサギと同様に人間に対して非常に警戒心の強い鳥だが、トラクターで作業をしていると何処からともなく集まってきて、時に20羽以上が前後左右にまとわりつくことがある。危ないのでトラクターの前を駆け回らないでもらいたい。

アマサギ2
 アマサギはトラクターが大好き 7月
 アマサギは南方系の鳥で、昔は新潟県内では見られなかったという。県内初記録は1969年5月の粟島という。一般によく見かけるようになったのは1980年代に入ってからではないかと思う。

追記
 以前は夏になるとよく見られたアマサギだが、近年その姿をあまり見かけなくなった。調べてみたたところ、国内では渡来数や繁殖数が減少しているらしい。県内ではまた珍しい鳥になるのか。(2022)


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